" 私の経験では、難しい問題や課題に直面して行き詰ってしまった時には、いちど、その問題から完全に離れることがしばしば有効であるように思います。私は暗号解読をやっていたときに、一度大きな壁にぶちあたり、暗号研究をやめてまったく別のことをやろうとしていたことがあります。
 
 ところがある日、ふと、その壁となった問題のことを思い出してあらためて考えてみたら、それまで自分が間違っていると思いこんでいたアイデアが実は正しかったことに気が付いたのです。これが「線形解読法」の最初のアイデアでした。このようなことはけっこうあるのではないでしょうか。
 
 研究者に粘り強さや根気のよさが必要とはよく言われますが、一方で入れ込み過ぎず、発想や視点を変えられる柔軟性というのが実は重要なのではないかなと思っています。"

特許制度125周年記念事業 「現代の発明家から未来の発明家へのメッセージ」 第4回:松井充さん (三菱電機株式会社)「ネット社会を支える暗号技術」